第2回は、「設計事務所」について。
設計事務所とは、主に「設計」を専門に行う人たちのことを言います。工務店やハウスメーカーは直接、建て主と「請負契約」を結び、設計からデザイン、現場管理まで含めて行いますが、設計事務所が交わすのは「設計契約」で、施工は工務店に依頼します(※この場合、施工する工務店は、設計事務所が設計した通りに工事を行うのが仕事となります)。「企業」というより「個人」で活躍している方が多く、安藤忠雄さんや隅研吾さんが有名ですね。
大きな違いは「設計」を専門に行う仕事だからこその独自性ではないでしょうか。ただ、決して設計事務所だから、工務店より設計やデザインに優れている…というわけではありません。結局はハウスメーカーや工務店、設計事務所だろうと、設計・デザインする人のセンス次第なんですね。都内では一級建築士などの資格を持たなくても、依頼が絶えないデザイナーさんはたくさんいます。結局はお施主様がデザインに間取り、そして快適性など、建てた家に対してどこまで満足してくれるかが重要だと思います。仮にデザインは奇抜でも住みにくかったり、暑くて寒い家では意味がないですよね。
金額に関しても「設計契約」を結ぶのですから当然、「設計費用」が必要となります。設計費用がいらない工務店と比べれば「金額が高い」というイメージがあるかもしれませんが、施工の部分で利益を取らず、さらに可能な限り設計以外の部分でコストを削減してくれるケースもあるので、これも一概には言えません。
結局のところ、デザインや間取り、金額とも企業や事務所のコンセプトを理解し、担当の方との相性や金額も含めて、しっかりと確認することが重要です。家づくりが多様化する現在、ハウスメーカーや工務店、設計事務所のあり方も多様化しています。そのため、ひと昔前に比べて、それぞれの「垣根」がなくなりつつあるのも、また事実だと思います。